屋根点検は自分でできる?安全な点検方法と悪徳業者の手口を解説
「屋根の状態が気になるけど、自分で点検してみてもいいのかな」
「業者に依頼すると高額な費用がかかるんじゃないか」
「突然訪問してきた業者の点検サービスは信用できるのか」
屋根の点検方法について、このような不安や疑問を抱えている方は少なくありません。確かに屋根は建物の中でも重要な部分であり、定期的な点検は欠かせません。しかし、素人が安易に屋根に上って点検することは、重大な事故につながる危険性があるのです。
一方で、近年では悪質な点検商法による被害も急増しており、国民生活センターへの相談件数は4年間で3倍に増加しました。ドローンを使用した新手の手口なども登場し、より一層の注意が必要となっています。
この記事では、屋根点検の重要性から安全な自己点検の方法、増加する点検商法の実態まで詳しく解説します。
さらに、信頼できる業者の見極め方もご紹介しているので、適切な判断基準を持って屋根点検に臨むことができるでしょう。
屋根点検が重要な3つの理由
屋根は建物の中でも特に外部環境の影響を受けやすい部分です。日々のメンテナンスと定期的な点検が欠かせない理由について、以下の3つのポイントから詳しく解説していきましょう。
屋根の状態を定期的に確認することで、建物全体の耐久性を高め、長期的な維持管理が可能です。
屋根工事の基礎知識について、詳しく知りたい方は以下の記事をご参考ください。
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理由1:日々の風雨や紫外線で屋根は劣化する
屋根は毎日、過酷な環境にさらされ続けています。特に日本の気候は四季の変化が大きく、夏は強い日差しと高温、冬は寒さと積雪、春秋には台風による強風や大雨など、一年を通して様々な気象条件に耐える必要があります。
このような環境下では、屋根材の劣化は避けられません。紫外線による色褪せや硬化、雨風による浸食、気温差による膨張収縮など、様々な要因で徐々に劣化が進行していくのです。
屋根材の種類によって劣化の特徴は異なり、瓦屋根では漆喰の剥がれやズレ、スレート屋根では反りやひび割れ、金属屋根では錆びや腐食などが発生します。こうした劣化は日々進行しているため、定期的な点検による状態確認が重要となります。
理由2:早期発見で修理費用を抑えられる
屋根の不具合を早期に発見することは、修理費用を大幅に抑えることにつながります。たとえば、小さな雨漏りを放置してしまうと、屋根材の下の野地板が腐食し、最終的には大規模な葺き替え工事が必要となる可能性があります。
実際の修理費用を比較すると、部分的な補修であれば数万円程度で済むケースでも、葺き替え工事となると数百万円規模の費用が必要となることも。さらに、足場の設置費用も追加で発生するため、工事費用は大きく膨らんでしまいます。
このように、早期発見・早期対応は経済的な観点からも非常に重要です。定期的な点検を行うことで異常を早期に発見し、最小限の修理で済ませることができるのです。
理由3:家族の安全と資産価値を守れる
屋根の劣化は、建物の資産価値低下だけでなく、家族の安全も脅かす可能性があります。たとえば、雨漏りによる天井や壁の腐食は、カビの発生や室内環境の悪化を引き起こし、健康被害のリスクとなります。
また、台風や地震の際には、劣化した屋根材が飛散して近隣の建物や通行人に被害を及ぼす可能性もあるでしょう。実際に、瓦の落下事故や棟板金の飛散事故は、深刻な人身事故につながるケースも報告されています。
さらに、屋根の状態は中古住宅としての売却時の査定にも大きく影響します。適切な維持管理を行うことで、建物の資産価値を保ち、将来の売却や建て替えの際にも有利な条件を確保することができます。
屋根点検の費用相場
屋根点検の費用は、点検方法や建物の状況によって大きく異なります。費用の目安となる相場を、点検方法別にご紹介していきましょう。
目視調査(基本点検)とドローン点検は、多くの業者が無料で実施しています。しかし、詳細な調査が必要な場合は、以下のような費用が発生します。
点検方法 | 費用相場 | 特徴 |
---|---|---|
目視調査 | 0~5万円 | 基本的な点検。足場が必要な場合は別途費用 |
散水調査 | 5~20万円 | 雨漏りの原因特定に有効。水道代は別途必要 |
発光液による調査 | 10~20万円 | 雨漏りの浸入経路を特定できる |
サーモグラフィー調査 | 10~30万円 | 雨水の染み込み具合を温度差で確認 |
ただし、これらはあくまで一般的な相場であり、建物の規模や状態、地域によって変動することがあります。見積りの際は複数の業者に相談し、適切な点検方法と費用を検討することをおすすめします。
屋根工事の種類別の費用相場について、詳しく知りたい方は以下の記事をご参考ください。
→屋根工事の費用相場を解説!種類別の費用相場と安く抑えるコツまで
自分で屋根に上って点検するのは危険なためNG!
屋根点検は、専門知識を持たない素人が屋根に上って行うべきではありません。その理由は主に2つあります。
1つ目は、作業中の転落事故の危険性です。建設業労働災害防止協会の調べによると、建設業における屋根からの転落による死亡事故は、過去5年間で139件も発生しています。これは専門的な技術や安全対策を持つプロでさえも、時として命を落とすほどの危険を伴う作業だということを示しています。
2つ目は、屋根材を破損させてしまうリスクです。屋根材はそれぞれ異なる強度と特性を持っているため、不適切な力の加え方や歩き方で破損を招く可能性があります。特に瓦屋根では、誤って瓦を割ってしまい、かえって修理費用がかさむケースも珍しくありません。
そのため、屋根点検は必ず専門業者に依頼することをおすすめします。後ほど解説する安全な方法で自己点検を行い、不安な点があれば業者に相談するというのが、最も賢明な対処法といえるでしょう。
自分でもできる安全な屋根点検方法
専門業者に依頼する前に、まずは自分でも安全に屋根の状態を確認することができます。以下の4つの方法を活用し、定期的な点検を心がけましょう。
これらの方法で異常が見つかった場合は、専門業者による詳しい点検を検討しましょう。
点検方法1:2階窓からの目視確認
2階の窓から1階部分の屋根を確認する方法は、最も安全で手軽な点検方法の一つです。この方法では、屋根の全体像を把握でき、目立つ破損やズレなどの問題を見つけやすいという特徴があります。
しかし、窓から身を乗り出しすぎると危険なため、安全な位置からの確認を心がけましょう。点検時は特に以下の項目に注目します。屋根材のズレや欠け、著しい色褪せ、コケや藻の発生、雨樋の歪みなどが見られないかを確認します。
また、季節や天候によって見え方が変わることもあるため、晴れた日の午前中など、光の条件が良い時間帯に点検するのがおすすめです。定期的に同じアングルから写真を撮っておくと、経年での変化も把握しやすくなります。
点検方法2:ベランダからの点検
ベランダからの点検は、2階建て以上の住宅で特に効果的な方法です。ベランダには安全柵が設置されているため、比較的安全に点検を行うことができます。
ただし、柵から身を乗り出すことは絶対に避けましょう。必要に応じて脚立を使用する場合は、必ず2人以上で作業を行い、1人が脚立を支えるようにします。点検時は特に雨樋の状態や屋根材の劣化状況、軒先の部分などをチェックします。
また、ベランダからは屋根の一部しか見えない場合が多いため、見える範囲での点検に留め、無理な体勢での確認は避けるようにしましょう。不安な箇所が見つかった場合は、専門家による詳しい点検を依頼することをおすすめします。
点検方法3:屋根裏からのチェック
屋根裏からの点検は、雨漏りの早期発見に特に有効です。2階の押入れやクローゼットの天井にある点検口から屋根裏に入り、屋根の内側から状態を確認します。
点検時は懐中電灯を使用し、特に以下の点に注目します。雨染みや水滴の付着、木材の腐れ、異常な臭い、カビの発生、断熱材の湿り具合などをチェックしましょう。また、換気口や棟部分の周辺は特に入念に確認が必要です。
点検の際は、必ずマスクを着用し、踏み板がある場所のみを歩くようにしましょう。天井を踏み抜く事故を防ぐため、木材の太い部分を選んで移動することが重要です。不安がある場合は、専門家による点検を依頼することをおすすめします。
点検方法4:自宅周辺からの確認
地上からの目視点検は、最も安全で手軽な方法です。自宅の周りを歩きながら、遠目からでも分かる屋根の不具合や変化をチェックします。
特に確認すべきポイントは、屋根材の明らかなズレや欠損、著しい色褪せ、雨樋の歪みなどです。また、近隣の高台や2階建て以上の建物がある場合は、そこから屋根全体を見渡すことで、より広い範囲の確認が可能となります。
定期的に写真を撮影しておくと、経年変化の比較がしやすくなります。特に台風や大雨の後には必ず点検を行い、被害の有無を確認することが大切です。不具合を発見した場合は、その場所や状態を記録し、専門家に相談する際の参考資料としましょう。
要注意!急増する点検商法の手口
屋根の点検商法による被害は年々増加しており、国民生活センターによると2022年度の相談件数は2018年度の約3倍にまで増加しています。
以下の4つの代表的な手口と対処法について解説します。
特に60歳以上の高齢者がターゲットになりやすいため、家族ぐるみでの注意が必要となります。
手口1:「近所で工事をしている」と突然の訪問
最も典型的な手口は、「近所で工事をしている」「この地域を点検している」といった理由で突然訪問してくるケースです。業者は「親方に言われて来ました」などと親しげに話しかけ、警戒心を解こうとします。
このような業者の多くは、雨樋の歪みや屋根材のズレを指摘し、点検の必要性を強調してきます。「今なら無料で点検できる」と勧誘し、承諾を得ようとするのが特徴です。
このような訪問を受けた場合は、きっぱりと断ることが重要です。「身内に修理業者がいる」と告げたり、業者の身分証明書の提示を求めたりするのも効果的な対応といえるでしょう。不安を感じたら、すぐにその場で断るようにしましょう。
手口2:「無料で点検する」と屋根に上がる
「無料で点検する」と言って屋根に上がる業者には特に注意が必要です。実は、この時点で重大な危険が潜んでいます。悪質な業者の中には、故意に屋根を破損させ、その後の修理工事を迫るケースもあるからです。
屋根に上がった業者は、地上からは見えない場所で作業を行うため、どのような行為をしているのか確認することができません。写真を撮影し、「このままでは危険」と不安を煽り、即座の工事契約を迫ってくることも。
一度屋根に上がることを許してしまうと、その後の対応が難しくなります。無料の点検と言われても安易に承諾せず、自分で選んだ信頼できる業者に依頼することが賢明な選択といえるでしょう。
手口3:「火災保険が使える」と不安を煽る
近年増加しているのが、火災保険の申請を持ち出す手口です。「自然災害の被害があれば保険金が下りる」「実費負担なく修理できる」などと説明し、強引に契約を迫ってきます。
しかし、火災保険は自然災害による損傷が対象であり、経年劣化による不具合は補償対象外となります。悪質業者は、この区別を曖昧にしたまま契約を進めようとするため注意が必要です。
結果として保険金が支払われず、高額な修理費用を請求されるケースや、不正な保険金請求に加担させられるリスクもあります。火災保険の活用を持ち出す業者には、特に慎重な対応が求められるでしょう。
手口4:ドローンで勝手に撮影し修理を迫る
最新の手口として、ドローンを使用した点検商法が報告されています。業者は許可を得ずに屋根を撮影し、「点検したところ、重大な不具合が見つかった」と突然訪問してきます。
撮影した画像を見せながら、「このままでは雨漏りする」「台風で飛散する危険がある」などと不安を煽り、修理工事の契約を迫ってきます。一般の方には映像から不具合の深刻さを判断することが難しいため、業者の説明を信じてしまいがちです。
このような場合は、「無断撮影はプライバシーの侵害である」と指摘し、きっぱりと対応を拒否することが重要です。必要に応じて警察や消費生活センターに相談することをおすすめします。
信頼できる点検業者の見極め方
屋根点検を安心して依頼するためには、信頼できる業者選びが重要です。以下の3つの選び方のポイントについて詳しく解説していきます。
これらのポイントを参考に、慎重に業者選びを行うことで、安心して点検を依頼することができます。
点検時の写真・動画を細かく見せてくれる業者を選ぶ
信頼できる業者の第一の特徴は、点検の過程を写真や動画で丁寧に説明してくれることです。特に100枚程度の写真を撮って詳しく説明する業者は、プロフェッショナルとしての責任感を持って仕事に取り組んでいるといえます。
最近では、ドローンによる撮影で、従来は確認が難しかった箇所まで詳細に点検できる業者も増えています。このような最新技術を活用しながら、撮影した映像をその場で説明してくれる姿勢は、高い透明性の表れです。
一方で、写真を見せずに「屋根が劣化している」と説明するだけで工事を勧めてくる業者は要注意です。顧客との信頼関係を重視する業者は、必ず現状を視覚的に共有し、問題点を分かりやすく説明してくれるはずです。
評判・実績が豊富な業者を選ぶ
業者選びの際は、建設業許可の有無や資格保有者の在籍状況など、客観的な基準で評価することが重要です。特に建築板金技能士や施工管理技士などの国家資格保持者がいる会社は、技術力の高さを期待できます。
また、リフォームパートナー協議会(RECACO)への加盟も、業者の信頼性を示す重要な指標となります。加盟業者は、見積書の作成方法や提案方法などの研修を受けており、より丁寧な対応が期待できます。
施工実績については、過去の工事例や顧客の声を具体的に示してくれる業者を選びましょう。実績写真や施工事例を公開している業者は、自社の仕事に自信を持っている証といえます。
地域密着の業者を選ぶ
地域に根ざして長年営業している業者は、地域の気候や建物の特性を熟知しており、より適切な点検・修理を提供できる可能性が高いといえます。また、悪評が広まることを避けたいという意識が働くため、より丁寧な仕事を心がける傾向があります。
さらに、地域密着型の業者は、アフターフォローの面でも優れています。万が一の不具合や緊急時にも、すぐに対応してもらいやすいというメリットがあります。相見積もりを取る際は、地元で10年以上の実績がある業者を中心に検討することをおすすめします。
また、自社の職人を抱えている業者は、外注による中間マージンが発生しないため、より適正な価格で点検・修理を提供できます。見積もり時には、作業を行う職人が自社雇用かどうかも確認しましょう。
屋根工事業者の選び方について、詳しく知りたい方は以下の記事をご参考ください。
→屋根工事業者の選び方を失敗するとどうなる?探す手順や悪質業者の見分け方まで
屋根の点検・工事はトベシンホームにご相談ください
出典元:トベシンホーム
会社名 | FCR株式会社 トベシンホーム |
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屋根点検から施工、アフターフォローまでを自社スタッフが一貫して担当することで、確かな品質と適正価格を実現しています。また、ドローンを活用した最新の点検技術も導入し、従来は確認が難しかった箇所まで詳細に調査することが可能です。
お客様の大切な住まいの屋根に関するお悩みは、まずは無料点検をご利用ください。最短即日での現場調査も可能ですので、お気軽にご相談ください。
まとめ
屋根点検は建物を長く守るために欠かせない重要な作業です。しかし、安全性を考慮すると、素人による屋根上での点検は避けるべきでしょう。代わりに、2階窓やベランダからの目視確認など、安全な方法での自己点検を定期的に行うことをおすすめします。
また、近年急増している点検商法には特に注意が必要です。突然の訪問や強引な勧誘、ドローンによる無断撮影などの手口を理解し、適切に対処することが重要となります。
信頼できる業者選びのポイントを押さえ、定期的な点検と適切なメンテナンスを行うことで、建物の資産価値を保ち、家族の安全も守ることができます。屋根に関する不安や疑問がありましたら、実績のある専門業者への相談をおすすめします。