スレート屋根の葺き替えは可能?費用やタイミング・おすすめの屋根材まで解説
「スレート屋根を葺き替えたいけど、本当に可能なの?」
「費用はどのくらいかかるんだろう」
「今のタイミングで葺き替えて大丈夫かな」
築年数が経過し、スレート屋根の劣化が気になり始めた方は、このような不安を抱えているのではないでしょうか。実は、スレート屋根の葺き替えは可能ですが、耐震性への影響や保証の問題など、いくつかの重要な検討ポイントがあります。
特に近年は、従来のスレート材での葺き替えよりも、軽量で耐久性の高い金属屋根への葺き替えを選択するケースが増えています。適切な屋根材を選ぶことで、耐用年数が大幅に伸び、将来的なメンテナンス費用も抑えられるのです。
この記事では、スレート屋根の葺き替えに関する重要な判断材料を、向いている屋根材などの情報を交えながら解説していきます。費用相場から工事のベストなタイミング、おすすめの屋根材まで、専門家の視点から紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
スレート屋根への葺き替えは可能?
スレート屋根への葺き替えは、技術的には可能ですが、建築の専門家からはあまり推奨されていないのが実情です。
工事費用が比較的安価で済み、施工も簡単なため、一見メリットが大きく見えるかもしれません。しかし、建物への負担や耐久性の面では、いくつかの重要な課題があるのです。
最も重要な問題は、屋根の重量です。スレート材は1㎡あたり約31キロと重く、既存の屋根の上に新しい野地板や防水シートを重ねることで、建物への負荷が大きくなります。これは耐震性を低下させる要因となるでしょう。
さらに、メーカーによる保証の問題も見逃せません。たとえば、大手メーカーのケイミュー社では、リフォームで使用したスレート材に対して、色あせ以外の保証を認めていないのが現状です。
建物を長期的に維持していく観点からは、スレート材よりも耐久性が高く、軽量な金属屋根などの代替材を検討することをおすすめします。
屋根の葺き替えについて、詳しく知りたい方は以下の記事をご参考ください。
スレート屋根からの葺き替えにおすすめの屋根材
スレート屋根の葺き替えでは、建物への負担を軽減しつつ、耐久性の高い屋根材を選ぶことが重要です。以下で、特におすすめの屋根材について詳しく解説していきます。
これらの屋根材は、それぞれ特徴的なメリットを持ち、建物の状況や予算に応じて選択することができます。
金属屋根
金属屋根は、スレート屋根からの葺き替えにおいて最もおすすめの選択肢といえます。特にガルバリウム鋼板は、その優れた特性から高い支持を得ています。
重量は1㎡あたり約5キロと非常に軽量で、スレート屋根の約1/6という軽さです。この軽量性は、建物の耐震性向上に大きく貢献します。
また、亜鉛とアルミニウム、シリコンによるメッキ処理により、従来の金属屋根の4倍以上の耐久性を実現。耐用年数は20~30年と長く、メーカー保証も充実しているのが特徴です。
断熱材一体型の製品を選べば、夏場の暑さ対策や冬場の暖房効率向上にも効果を発揮することができるでしょう。
アスファルトシングル
アスファルトシングルは、ガラス繊維にアスファルトを染み込ませ、表面に石を吹き付けた屋根材です。金属屋根に次ぐ、おすすめの選択肢となっています。
耐用年数は15~30年程度で、施工費用は一般的な住宅で90~180万円ほどとなります。色あせや割れ、サビに強い特性を持ち、複雑な形状の屋根にも対応が可能です。
しかし、強風によるめくれやはがれが起きやすいという弱点があります。また、経年劣化による耐久性の低下も考慮する必要があるでしょう。
スレート屋根からの葺き替えにおすすめしない屋根材
屋根の葺き替えでは、建物の構造や耐久性を考慮しながら、適切な屋根材を選択することが重要です。以下では、スレート屋根からの葺き替えにおいて避けるべき屋根材について解説します。
これらの屋根材は、それぞれに優れた特徴を持っていますが、スレート屋根からの葺き替えには適していない理由があります。
瓦屋根
瓦屋根は日本の伝統的な屋根材として知られ、重厚な見た目と高い耐久性が特徴です。しかし、スレート屋根からの葺き替え材としては推奨できません。
最大の理由は重量です。瓦屋根は1㎡あたり約60キロと非常に重く、スレート屋根の約3倍もの重さがあります。この重量増加は建物の耐震性に大きな影響を与えるでしょう。
さらに、瓦屋根への葺き替えでは、屋根の構造自体を補強する必要が生じる可能性も高く、工事費用が大幅に増加する要因となります。
スレート屋根
同じスレート屋根への葺き替えも、実は推奨できない選択肢です。スレート材は1㎡あたり約31キロと、金属屋根と比べると約6倍も重いのが現状です。
また、屋根の歪みによる影響を受けやすい特徴があります。経年による野地板の変形や歪みがある場合、新しいスレート材にヒビや割れが発生するリスクが高まります。
さらに、メーカー保証の面でも課題があります。リフォームで使用したスレート材には、色あせ以外の保証が適用されないケースが一般的です。工事費用は比較的安価でも、長期的な維持管理を考えると決して経済的とは言えないでしょう。
屋根材別の費用や特徴について、詳しく知りたい方は以下の記事をご参考ください。
スレート屋根の葺き替え工事費用相場
スレート屋根の葺き替え工事費用は、屋根材の選択や建物の状態によって大きく異なります。まずは主な工事費用の内訳を確認してみましょう。
基本的な費用相場は、一般的な戸建て住宅(90㎡程度)の場合、以下のようになります。
工事内容 | 費用相場 |
---|---|
スレート屋根への葺き替え | 170~200万円 |
金属屋根への葺き替え | 190~230万円 |
アスファルトシングルへの葺き替え | 90~180万円 |
葺き替え工事では、建物の状態や築年数によって追加費用が必要となるケースがあります。たとえば、1990年代前半以前に施工されたスレート屋根にはアスベストが含まれている可能性が高く、その場合は処分費用として20〜25万円ほどが上乗せされます。
さらに、野地板の張り替えが必要な場合は25〜30万円の追加費用が発生するでしょう。
項目 | 費用 |
---|---|
アスベスト処分費用(含有の場合) | 20~25万円 |
野地板張り替え | 25~30万円 |
これらの諸経費に加えて、足場の設置費用も必要となるため、予算計画の際は総額をしっかりと考慮することが大切です。
なお、断熱材一体型の金属屋根を選択する場合は若干費用が上がりますが、光熱費の削減効果が期待できるため、長期的な視点では経済的な選択となる可能性もあります。
スレート屋根のメンテナンス時期
スレート屋根を長期間良好な状態に保つためには、適切なタイミングでのメンテナンスが欠かせません。以下の3つのポイントに分けて、メンテナンス時期の目安を解説していきます。
状況に応じた的確なメンテナンスを行うことで、屋根の寿命を延ばすことが可能です。
耐用年数に応じて
スレート屋根の耐用年数は、製造された時期によって大きく異なります。一般的な寿命は10~35年程度とされていますが、より詳しく見ていく必要があります。
1990年代のアスベスト含有スレートは30~40年ほどの耐久性がありましたが、2000年代前半の初期のノンアスベスト製品は15~25年と比較的短い傾向にあります。
2000年代後半以降に製造された最新のスレートは、ノンアスベストでありながら約30年の耐用年数を実現しています。ただし、環境条件や日常的なメンテナンス状況によって、実際の寿命は変動することがあります。
屋根材別の耐用年数について、詳しく知りたい方は以下の記事をご参考ください。
塗装リフォームの目安
スレート屋根の塗装リフォームは、築7~10年を目安に検討する必要があります。特に藻やコケが発生している場合は、早めの対応が推奨されます。
塗装にかかる費用は、一般的な戸建て住宅(42~100㎡)で15~50万円程度となります。使用する塗料の種類によって耐用年数が異なり、アクリル塗料で5~7年、シリコン塗料で13~15年、フッ素塗料では15~20年ほどの耐久性が期待できます。
塗り替え工事には2~14日程度の期間が必要で、天候や付帯部の塗装の有無によって工期が変動する可能性があります。
葺き替えが必要なタイミング
築20年以上で一度も塗装をしていない場合や、屋根の下地まで劣化が進んでいる場合は、葺き替えを検討するタイミングといえます。特に、築30~45年以上経過したスレート屋根は、定期的な塗装を行っていても老朽化による雨漏りのリスクが高まります。
また、今後も長く同じ家に住み続ける予定がある場合も、将来的なメンテナンスコストを考慮すると、この機会に葺き替えを検討することをおすすめします。
特に雨漏りや割れなどの症状が見られる場合は、建物全体への影響を防ぐためにも、早急な対応が必要となるでしょう。
スレート屋根に葺き替える場合の注意点
スレート屋根への葺き替えを検討する際は、以下の3つの重要な注意点について、しっかりと理解しておく必要があります。
これらの注意点を把握することで、より適切な判断が可能となります。
耐震性への影響
スレート屋根への葺き替えで最も懸念されるのが、建物の耐震性への影響です。スレート材は1㎡あたり約31キロと比較的重く、既存の屋根の上に新しい野地板や防水シートを重ねることで、さらに重量が増加します。
特に葺き替え工事では、古い野地板の上に新しい野地板を重ねる「増し張り」が一般的です。この結果、建物全体の重心が高くなり、地震時の揺れが大きくなるリスクが高まります。
金属屋根であれば1㎡あたり約5キロと軽量なため、むしろ耐震性が向上する可能性があります。
屋根の歪みによる割れリスク
スレート屋根は硬い素材であるため、屋根の歪みに弱いという特徴があります。経年による野地板の変形や、建物自体の歪みがある場合、新しく施工したスレート材にヒビや割れが発生しやすくなります。
特に古い建物の場合、屋根面が完全な平面を保っていないことが多く、不陸調整という下地材の張り直し工事が必要になることもあります。しかし、完全なフラット面を再現することは難しく、将来的な破損リスクは避けられません。
このリスクを考慮すると、クッション性のある断熱材一体型の金属屋根などの選択肢も検討する価値があります。
メーカー保証の適用範囲
スレート屋根材の主要メーカーでは、リフォームで使用したスレート材に対して、色あせ以外の保証を認めていないのが現状です。新築物件では10年程度の雨漏り保証が一般的ですが、リフォームではこの保証が適用されないケースがほとんどです。
さらに、リフォーム時の色あせ保証についても、条件付きでの適用となることが一般的です。保証内容は各メーカーによって異なるため、工事前に詳細を確認することが重要です。
このように、新築時とリフォーム時では保証内容に大きな違いがあります。将来的な補修や修繕が必要になった場合、すべて施主負担となる可能性が高いことを理解しておく必要があるでしょう。
長期的な維持管理コストを考慮すると、充実した保証のある他の屋根材を選択することも賢明な判断といえます。
スレート屋根の葺き替え工事はトベシンホームにお任せ!
出典元:トベシンホーム
会社名 | FCR株式会社 トベシンホーム |
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本社所在地 | 〒271-0064 千葉県松戸市上本郷2868-8 |
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まとめ
スレート屋根の葺き替えは技術的には可能ですが、建物への負担や保証の問題から、必ずしも最適な選択とは言えません。特に耐震性や耐久性を考慮すると、金属屋根など代替材への葺き替えを検討することをおすすめします。
工事費用は屋根材の種類やアスベストの有無によって大きく異なりますが、一般的な戸建て住宅で90~230万円程度となります。また、屋根の状態によっては野地板の張り替えなど、追加工事が必要になる場合もあるでしょう。
葺き替え工事は住まいの資産価値や耐久性に直結する重要な工事です。信頼できる専門業者に相談し、建物の状態や予算に応じた最適な工事方法を選択することが大切です。