屋根瓦葺き替え工事のタイミングや費用相場を解説!補助金や注意点まで
「築年数が経過して瓦屋根のメンテナンスが気になり始めた」
「業者から葺き替えをすすめられたけど、本当に必要なのかな」
「費用がどのくらいかかるのか不安」
屋根瓦の葺き替え工事を検討する際、多くの方がこのような悩みを抱えているのではないでしょうか。特に初めて工事を考える場合、適切な時期や費用の相場がわからず、判断に迷うものです。
実際、瓦屋根は耐久性が高く長持ちする一方で、下地材の劣化や台風による損傷など、見た目では判断が難しい問題を抱えていることも。早めの対策を怠ると、予期せぬ雨漏りが発生したり、修繕費用が膨らんでしまう可能性があります。
この記事では、瓦屋根の葺き替え工事のタイミングから費用相場、さらには補助金の活用方法まで徹底解説します。建物を長く守るための判断基準や、工事を成功させるためのポイントをわかりやすくお伝えしていきます。
屋根瓦の葺き替え工事とは?
屋根瓦の葺き替え工事は、古くなった瓦を全て撤去し、新しい瓦に交換する大規模な屋根リフォーム工事です。瓦だけでなく、瓦の下に敷かれている防水シートや野地板なども含めて新しく取り替えます。
瓦葺き替え工事では、既存の瓦や下地材を完全に撤去した後、新しい防水シート(ルーフィング)を敷設。その上に瓦を固定するための桟木を取り付け、最後に新しい瓦を一枚一枚丁寧に設置していきます。工事後は新築時と同様の耐久性や防水性能を取り戻すことができるでしょう。
近年の瓦葺き替えでは、2020年に義務化された「ガイドライン工法」によって、瓦を一枚一枚釘やビスで固定することが標準となっています。これにより、台風や地震などの災害にも強い屋根へと生まれ変わらせることが可能です。
屋根の葺き替えについて、詳しく知りたい方は以下の記事をご参考ください。
屋根瓦の葺き替えが必要なタイミング
屋根瓦の葺き替え工事は、適切なタイミングで実施することが重要です。早すぎると不必要な出費となり、遅すぎると雨漏りなどの深刻な問題を引き起こす可能性があるためです。以下のようなタイミングで葺き替えを検討しましょう。
定期的な点検を行い、屋根の状態を把握しておくことで、最適な工事タイミングを見極めることができます。
瓦屋根の耐用年数が過ぎたとき
瓦屋根の耐用年数は、素材によって大きく異なります。一般的な陶器瓦(釉薬瓦)の場合は約50年、いぶし瓦では40年程度の耐久性があるでしょう。一方、セメント瓦は35年ほどで寿命を迎えます。
ただし、瓦自体の寿命よりも先に、下地材である防水シートの劣化が進む点に注意が必要です。防水シートの耐用年数は15〜20年程度なので、築20年を目安に専門家による点検を行うことをおすすめします。
特に土葺き工法で施工された古い瓦屋根は、耐震性の面からも早めの葺き替えを検討する必要があるでしょう。
屋根材別の耐用年数について、詳しく知りたい方は以下の記事をご参考ください。
瓦屋根の劣化サインが発見されたとき
瓦屋根の劣化は、いくつかの目視できるサインとして現れてきます。まず注意したいのは、瓦のひび割れやズレ、欠けなどの物理的な損傷です。このような状態を放置すると、雨漏りのリスクが高まることでしょう。
また、瓦表面の釉薬が剥がれてザラザラした質感になったり、苔やコケが広範囲に発生したりしている場合も要注意です。これらは瓦の吸水性が高まっている証拠であり、凍結による破損リスクが高まっています。
天井やベランダの雨染み、雨樋から水があふれるなど、排水に関する異常も見逃せないサインです。このような症状が見られたら、業者による詳しい調査を依頼しましょう。
屋根の最適な工事タイミングや見極め方について、詳しく知りたい方は以下の記事をご参考ください。
屋根瓦葺き替え工事の費用相場
瓦屋根の葺き替え工事費用は、建物の規模や屋根の形状、選択する屋根材によって大きく異なります。
リショップナビの調査によると、葺き替え工事の平均費用は158.5万円となっており、多くの場合101万円から300万円の範囲に収まることでしょう。
工事費用の内訳としては、既存の瓦の撤去・処分費用、野地板などの下地補修費用、新しい防水シートや瓦の材料費、施工費、そして足場代などが含まれます。
既存屋根材 | 新規屋根材 | 費用相場 |
---|---|---|
瓦 | 瓦(和瓦・洋瓦) | 90万円〜250万円 |
瓦 | スレート | 70万円〜200万円 |
瓦 | ガルバリウム鋼板 | 80万円〜200万円 |
瓦 | SGL(スーパーガルテクト) | 86.5万円〜130万円 |
瓦 | アスファルトシングル | 70万円〜230万円 |
なお、古いスレート屋根にアスベストが含まれている場合は、特殊な処理が必要となるため、10万円〜30万円ほどの追加費用が発生することがあります。費用を抑えたい場合は、各種補助金制度の活用も検討してみましょう。
屋根工事の費用について、詳しく知りたい方は以下の記事をご参考ください。
【屋根材別】屋根瓦葺き替えのメリット・デメリット
瓦屋根の葺き替えを検討する際、新しい屋根材の選択は重要なポイントとなります。それぞれの屋根材には特徴があり、メリット・デメリットを理解した上で選択することが大切です。
建物の状態や予算、お好みのデザインに応じて、最適な屋根材を選びましょう。
屋根材1:ガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板は、高い耐久性と軽量性を併せ持つ現代的な屋根材として注目を集めています。従来の金属屋根であるトタンと比べて約4倍の防錆性能を持ち、適切なメンテナンスを行えば30〜40年の長期使用が可能です。
特に地震対策として採用されるケースが増えており、瓦屋根からの葺き替えで建物の重量を大幅に軽減できる点が評価されています。
また、近年は断熱材と一体化させた製品も登場し、快適性も向上。スタイリッシュな外観と相まって、和風住宅のリフォームでも採用が増えています。
メリット | デメリット |
---|---|
耐震性に優れる(瓦の1/10の重さ) | 金属音が響きやすい |
錆びにくく耐久性が高い | 夏場は熱くなりやすい |
メンテナンス頻度が少ない | 凹みやすい |
施工期間が短い | デザインの選択肢が少ない |
断熱材との組み合わせが可能 | 高級タイプは費用が高い |
屋根材2:スレート
スレートは、日本の住宅でも広く普及している実績のある屋根材です。セメントを主原料としており、比較的安価で施工もしやすいことから、予算を抑えたい方に選ばれています。
近年の製品は豊富なカラーバリエーションが用意されており、様々な住宅デザインに対応可能です。ただし、2004年以前の古いスレートにはアスベストが含まれている可能性があるため、葺き替え時には専門業者による適切な処理が必要となります。メンテナンスは10年程度で塗装が推奨されています。
メリット | デメリット |
---|---|
工事費用が比較的安価 | 耐用年数が他素材より短い |
豊富なカラーバリエーション | 定期的な塗装が必要 |
軽量で耐震性が良好 | 色あせしやすい |
施工がしやすい | 割れやすい |
デザインの自由度が高い | 古い製品にアスベスト含有の可能性 |
屋根材3:軽量瓦
軽量瓦は、従来の瓦の風合いと現代の防災性能を両立させた屋根材です。2020年に義務化されたガイドライン工法に対応しており、一枚一枚を釘やビスでしっかりと固定することで、台風や地震などの災害にも強い構造となっています。
和風住宅の趣を保ちながら耐震性を向上させたい場合の選択肢として人気があり、重量は従来の瓦から1〜2割軽量化されています。製造技術の向上により、耐候性や防水性も確保されており、塗装などの定期的なメンテナンスも基本的に不要となっています。
メリット | デメリット |
---|---|
瓦の意匠を保てる | 通常の瓦より高価 |
耐風性が向上している | カラーバリエーションが限定的 |
通常の瓦より1〜2割軽い | 一般的な瓦より耐久性がやや劣る |
塗装メンテナンス不要 | 施工できる業者が限られる |
防災性能が高い | 部分補修が難しい |
屋根材4:アスファルトシングル
アスファルトシングルは、欧米では一般的な屋根材として広く普及している素材です。アスファルトを主原料とした柔軟性のある材質で、施工が容易なことから工事費用を抑えることができます。加えて、複雑な形状の屋根でも対応がしやすい特徴があります。
重量も比較的軽く、1平方メートルあたり約12kgと、瓦の5分の1程度となっています。デザイン面では、洋風住宅に特に相性が良く、スレートのような板状の仕上がりと、豊富なカラーバリエーションで、モダンな外観を実現できます。
メリット | デメリット |
---|---|
工事費用が最も安価 | 耐用年数が比較的短い |
施工が容易 | 施工業者が少ない |
軽量で耐震性が良好 | 強風に弱い |
曲面施工が可能 | 高温で変形の可能性 |
屋根瓦葺き替えの工期
瓦屋根の葺き替え工事は、一般的な30坪程度の住宅で約6〜10日程度かかります。ただし、天候や建物の状態、施工業者の人数などによって工期は変動するため、余裕を持った計画を立てることが大切です。
標準的な工期の目安は以下の通りです。
1日目:古い瓦の撤去、防水シート・桟木の撤去(5〜6人で作業)
2日目:新しい桟木の取り付け(2〜3人で作業)
3〜4日目:新しい瓦の設置(5〜6人で作業)
5〜7日目:棟や隅、壁際部分の仕上げ(2〜3人で作業)
特に、梅雨時期や冬季は天候の影響を受けやすく、工期が延びる可能性があります。また、屋根の形状が複雑な場合や、下地の傷みが予想以上に深刻だった場合なども、追加の工期が必要となるでしょう。
なお、工事中は騒音や振動が発生するため、近隣への配慮も忘れずに。特に瓦の撤去から新しい瓦の設置までの3〜4日間は、室内にも音が響きやすい点に注意が必要です。
屋根瓦葺き替えに補助金・火災保険は使える?
瓦屋根の葺き替え工事では、条件を満たせば補助金制度や火災保険を活用できる可能性があります。特に耐震性の向上を目的とした工事の場合、自治体による補助金制度の対象となることが多いでしょう。
例えば、重い土葺き瓦から軽量な屋根材への葺き替えは、耐震改修工事として補助金の対象となるケースがあります。また、省エネ効果の高い屋根材を選択する場合も、省エネリフォーム補助金が適用される可能性があります。
火災保険に関しては、台風や強風による瓦のズレや破損が原因で葺き替えが必要になった場合、保険金の請求ができることがあります。ただし、経年劣化による損傷は補償対象外となる点に注意が必要です。
補助金や保険の活用を検討する場合は、工事前に必ず以下の確認が必要です。補助金については各自治体の担当窓口に確認を、火災保険については加入している保険会社に相談することをおすすめします。申請のタイミングを誤ると対象外となってしまう可能性もあるため、早めの準備が大切です。
屋根の火災保険を受け取る条件や申請方法について、詳しく知りたい方は以下の記事をご参考ください。
屋根瓦葺き替えの注意点
葺き替え工事を成功させるためには、いくつかの重要な注意点があります。特に以下の3点については、事前にしっかりと確認しておくことが大切です。
これらの確認を怠ると、予期せぬトラブルや追加費用が発生する可能性があります。
下地の状態を必ず確認する
葺き替え工事では、既存の瓦を撤去した後の下地の状態確認が非常に重要です。野地板の腐食や防水シートの劣化が見つかった場合、追加の補修が必要となり、工期や費用に影響を与えることがあります。
特に築年数の長い建物の場合、雨漏りの形跡がなくても下地が傷んでいることがあります。また、土葺き工法の古い屋根では、重量による歪みで屋根面が大きく変形している可能性も。このような場合、下地の調整作業が必要となるでしょう。
事前の調査で下地の状態を把握し、必要な補修範囲を見極めることで、適切な工事計画を立てることができます。
耐震基準を満たしているか確認する
2020年に瓦屋根の新しい施工基準として「ガイドライン工法」が義務化されました。これは、地震や台風などの災害に対する安全性を高めるため、瓦を一枚一枚釘やビスで固定することを定めた基準です。
葺き替え工事の際は、この新しい基準に適合した工法で施工されるか確認が必要です。特に古い土葺き工法の屋根を改修する場合は、耐震性能の向上が重要なポイントとなります。
また、屋根材の選択時には建物全体の耐震性も考慮に入れましょう。重い瓦から軽量な屋根材に変更することで、地震時の建物への負担を軽減できる場合もあります。
工事後の保証内容を確認する
葺き替え工事は大規模な改修となるため、工事後の保証内容をしっかりと確認しておくことが重要です。一般的な保証期間は10年程度ですが、保証の対象となる範囲や条件は業者によって異なります。
特に確認すべき点として、雨漏りへの対応や、台風などの自然災害による破損時の補償内容があります。また、定期的な点検や修理が必要となった場合の費用負担についても、事前に明確にしておくことが大切です。
保証書の内容は必ず書面で受け取り、保証対象外となる事項についても確認しましょう。信頼できる業者は、保証内容について明確な説明ができるはずです。
屋根瓦の葺き替えはトベシンホームにご相談ください
出典元:トベシンホーム
会社名 | FCR株式会社 トベシンホーム |
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本社所在地 | 〒271-0064 千葉県松戸市上本郷2868-8 |
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まとめ
屋根瓦の葺き替え工事は、建物の耐久性や資産価値を左右する重要な工事です。適切なタイミングで実施することで、雨漏りなどの深刻な問題を防ぎ、建物を長く守ることができます。
工事の際は、下地の状態確認から耐震基準への適合、そして保証内容まで、しっかりと確認することが大切です。また、補助金や火災保険の活用も視野に入れることで、費用面での負担を軽減できる可能性があります。
新しい屋根材の選択では、ガルバリウム鋼板や軽量瓦など、建物の状態や予算に応じて最適な素材を選びましょう。信頼できる専門業者に相談し、長期的な視点で最適な工事計画を立てることで、安心で快適な住まいを実現することができます。